「あなたの着物 甦ります
思い出作りのお手伝い」
金彩友禅の黒留袖
吾妻町のT様
30年くらい前に ご両親に作っていただいたものですが
お嬢様の結婚式に着るのに派手になってしまったので
落ち着いた色に直しました 仕立てた状態のまま顔料と金彩で見事に変身しました


鶴の訪問着
高崎市のM様
着物好きのお母様のお気に入りの訪問着ですが、シミ、焼け、こすれた後などが目立ってしまいました。
解いて洗い張りの後、引き染めにしました。
色はお着物のイメージが変わらないように同系のワントーン濃い色を選びました。
同時に、あまりにも鶴の数が多い、とのことで、鶴の絵のノリ伏せを半分だけにし、半分はシルエット状になるようにしたところ、ちょうど良い具合になりました。
シルエット状の鶴の輪郭をはっきりさせるために細く縁取りをしました。染めても残ったこすれ痕は水草を少し描き足すことで目立たなくしました。




男児祝着
富士見町のN様
ご子息が生まれた時のお宮参りの祝い着。
お孫様のために久しぶりに箪笥から出すとあちこちに茶色く酸化してしまったシミが‥‥。
生地は羽二重で繊細なためにしみ抜きの薬品などで負荷をかけられない為、金の細かい粉で隠して全く分からなくすると同時に豪華になりました。




緑の名古屋帯
前橋市のT様
着付けの練習を始め、思い出深い帯を箪笥から出したところお太鼓の下の無地の部分のシミに気づきました。
無謀にも漂白剤と重層を使ってご自身でシミを落とそうと試みましたが、緑色が抜けて、黄色いシミになってしまいました。
シミになってしまった部分にお太鼓と同じ柄を描きたしました。


花車の振袖
安中市のS様
お母さまの振袖をお嬢様が着用。
お嬢さまは大柄な方。丈と巾をいっぱいに出したため、肩と両脇身頃部分に帯状に柄が無いところが出てしまいました。
⇒柄を描き足してわからなくなりました。




蝶の附下
渋川市のH様
お嬢様時代の思い出深い附下。
薄いアイボリーに大きな朱赤の蝶々の柄。
⇒現在の好みの深い緑に染めました。朱赤の蝶々に色を掛けようとすると、焦げ茶・濃い紫など選択が限られ、イメージから離れてしまうため、金の細かい粉をまき散らしてトーンダウンを図りました。



刺繍の附下
藤岡市のA様
焼けてしまいましたので染め直してわからなくしました。
柄が刺繍のために煮染めや引き染めが使えないので、吹き付ける方法で行いました。
スプレーの中に同じ染料を入れてあっても出る気圧を変えることで何度か繰り返して染めることで、ただの無地でなく、おしゃれな仕上がりとなります。
刺繍の上には糊伏せも出来ないので、そこは加減しながらも少し染料が入ってしまうので、縁を顔料で描き足してはっきりとさせました。

